大人向けっぽいゲームに「スニーザー」が居ないと辛いよね、という話

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統計的なものが無い、そして実のところ社会文化的に元々「ゲーム」なるものがデジタルでもアナログでも子供向けのものであり、大人が熱中するのは恥ずかしいとの認識が日本では強いことも要因ではあるので、指摘されていることだけが要因ではないのだけど。うなづける部分も少なからずあるってことで、参考意見として。

市場にスニーザーが少ないと、市場そのものは縮退していくし、新規参入の材料を投入するのも躊躇しちゃうよね、というもの。「スニーザー」ってのはくしゃみをする人って意味で、ちょいと前まで良く使われていた、マーケティング関連の言葉。要は声の大きい人。この人の語りは不特定多数に広まりやすい、拡散力を持っている人のこと。αブロガーとかもその一例。まぁ、実社会ならば口達者で噂話が大好きな近所のおばさん。

スニーザーが多い市場だと、材料を放り込めば勝手にたくさんの化学反応を起こし、広がってくれる。連鎖反応も起きやすい。でも少ないところだと、不活性化しているような状況だから、いくら材料を投げてもあまり反応が無い。超熱狂的で自分が足を運んだコンサートの話を他のファンやクラスのみんなにも積極的に語るファンと、醒めきって自分だけで満足してしまうファン、どちらを相手にしたいかな。

例えばYouTubeやニコ動でいわゆる日本語による実況動画をチェックしたり、攻略系のWikiを探してみても、その多くは子供向け。シミュレーション系やストラテジー物は大体が海外もの。元々拡散力に違いがあるのだから、市場の縮小・拡大も加速化し、差がさらに出てくる。日本国内のゲームでスマホアプリも合わせ、シミュレーション系のもの、大人向け的なものがほとんど出なくなったのも、結局採算が取れないから。

海外では日本とは比べ物にならないほど、シミュレーションをはじめとした大人向けっぽいゲームの市場は確保されているし、情報、そして面白さを拡散させる動画やらブログやらがある。スニーザーが山ほどいるのでそれらの材料が広がり、ファンが新規に生み出され市場を維持拡大させていく。


「シミュレーション」とのカテゴライズで良いのか否か、いまだに論議が成されていることは別として。今件観点では色々な意味で検証に値するのが、アプリゲームの「艦これ」。個人的には模索の上での結果論の香りが強いのだけど、女性擬人化との手法を用いたとはいえ、従来ならば絶対に流行るはずがない(過言では無い)このタイプのゲームが、恐らくはアプリゲーム市場の史上(シャレでは無い)に名を遺すほどのビッグタイトルに押し上げられた、その過程は大いに注目に値する。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年11月 3日 08:09に書いた記事です。

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