「少年非行は増えている」多くの人が考える、その理由をもう一度考えてみる

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今件については本家サイトで【79%は「5年前と比べて少年重大事件は増えている」と思っている】をはじめいくつ心情調査の結果をまとめた後、実体としての少年非行、重大事件の統計的推移を詳しくグラフ化して記事とし、そこでまとめとして言及するつもりだったのだけど、この統計的推移の精査が予想以上に時間がかかることが分かり、ちょいとホールド中。時間が取れる年末位になっちゃうかなあー...ということで、質問的な話もあったので、覚え書きとして。

提示されている一部資料だけでも、明らかに少年犯罪、重大犯罪は減っている。増えているのは一部特殊犯罪と新規に起きたような犯罪のみ。この辺りも記事で言及の通り。ではなぜ、先日の某議員の「少年犯罪は増加しているから云々」の話をはじめ、定期的にこの類の問題提起が成されるのかな、と。


「高齢者が特に誤認識→昔の事案を忘れている」、情報密度が昔と比べて濃厚になり、広領域の犯罪情報が耳に相次ぎ入るようになり、具体的事例はともかく数が増えたように思えるようになった、新しいタイプの少年犯罪は繰り返し報じられるため多発しているように思えるのと、昔は無かったので増加したように思える、少年も含めた犯罪報道そのものの変質(エンタメ化)など、複数要因の結果かと。

例えば昨年夏のマクドの異物混入騒動以降、報道が過熱化するに連れて異物混入事案が増えたように思えたのが良い例。確率論的にはそれ以前から、そして話題としては鎮静化した後も、それなりに事案は発生しているはずなんだけど、伝えられないこともあり、あたかも異物混入は無くなった「ように見える」「思える」。オスプレイだってそうだ。未だにお騒ぎになりあそばされている方はいるけれど、騒音が大きいだの事故率が従来機より高いだのという話はまったく聞かれなくなった。

事実と異なる内容が伝播され、信じてしまう、知識として習得してしまう背景には、さまざまな事情や理由があるけれど、大体構造的には同じようなもの。楽しいだけならそれでもいいんだけど、実害をもたらしたり、迷惑を被る人がいるのなら、それは極力避け、間違いを正し、事実を周知させる必要がある。少なくとも当方はそう思う。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月18日 07:44に書いた記事です。

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