創作業は孤独化する、その孤独に耐えられなくなった人の宣言と、つながりの認識と

| コメント(0)


先日記事に絡められて紹介もされていたので、見聞きした人も多いだろうけれど。4コマ漫画作家の伊藤黒介先生が連載を終了する宣言を行い、その理由として作家業ゆえの短所ともいえる孤独感のプレッシャーに耐えられなくなった的な内容が語られていた事案。孤独ゆえに世界が広がらず、ネタのストックも底を尽きてしまった......とまとめられるのかな。

漫画家、作家には特に多い話だけど、「自分の心境内のストックが尽きてしまった」という絶筆宣言的なケースはしばしば見聞きする。才能の枯渇、鉱山ならば廃坑、みたいな。創作系に携わっていない人にはイメージしにくいかもしれないけれど、結構ありえる。

で、そのストックを増やしたり追加したり、新たなストックが詰まっている部屋へのカギを開けてくれるのが、他人との付き合い。いや、付き合うまでで無くてもいい。自分が一人の個体でしかないといった孤独感からの解放。SFでよくある設定だけど、世界に自分しかしなくなった時に、人がまず何をするか。自分が孤独で無い状況にするために、他の個体を創生することなんだよね。


同人誌なりウェブ漫画の場合はダイレクトに感想が届きうるので、毒も多いけれど、少なくともリアクションを精査することは容易となる。自分の活動が独りよがりで無く、世の中に何らかの影響を与えていることをしっかりと認識でき、自分の作品の、そして自分自身そのものの存在を確かなものとすることができる。商業誌の場合はアンケート順位とか単行本の売れ行きといった数量的なデータも得られるけれど、やはり読者の声が一番分かりやすい......けど、場合によってはなかなか手に届かないことも。

FacebookではFacebookページでもあれば多少ハードルは低くなるけれど、それでも感想などはブログのコメントぐらいのハードルがある。ブログは設定していない人も多いし、どうも書きにくいところがある。LINEはお手軽そうに見えるけれど、プライベート感が強すぎて創り手と受け手とのコミュニケーションでは躊躇してしまう。ぬるま湯的でハードルの低いツイッターが、やはり一番「創作業と利用者との間のコミュニケーションツール」としては適しているのだろうな。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年10月 6日 07:59に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「よほど多くの部屋・家で消火器が無かったのかな...炎上動画の後日談的影響」です。

次の記事は「ゴルゴ13に麻生大臣みたいな人物が登場している件で麻生氏自身が感想を述べた議事録が公開」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30