ミッシングリンクは1980年代後半から1990年代前半に限った話なのか

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先日【いわゆるオタク的趣味趣向の汎用化と規制に係わる雰囲気と】で「警察庁広域重要指定117号事件」に係わるマスコミ報道、そしてそれをトリガーにした社会全体のオタク的文化への強力な圧力がかけられた時代の話。まあ似たような話はいくらでも出てくるわけで。例えば秋葉原での殺傷事件の後は、ナイフの規制が異様な状態になった(そのものはもちろん、表現上でも)のを覚えている人も多いはず。

で、その某宮崎事件の後の社会的風潮・空気を認識している人が少ない状況に関して、資料があったとしてもそれを見る人がどれだけいるか否かはまた別の話として。当時の社会文化の資料が非常に少ないとの指摘がある。

正確にいうと無いわけじゃないのだけど、あちこちに分散し、細切れになっていて、集大成化されていない。文化史は特に散逸しやすい資料が多いし、出版社もバタバタ倒れてその過程で出版元そのものが消えてしまい、資料どころの話では無くなる。


社会文化から時節との領域にまで拡大すると、この話は何も「80年代後半から90年代前半」に限った話では無い。ネットが普及し個人ベースで大量の資料が残され始まった「以前」から。先日もちょいと触れたかもしれないけれど、1988年2月に発売された「ドラゴンクエスト3」に関して、少なからずの児童や生徒もおり、多数の補導事案が発生して社会問題化されたことが無かったことにされているって話もあった(これがきっかけで同シリーズは今後、発売日を平日にしないような施策が取られている)。

また、文献などの資料が残っていても、書き手側が特定のサイドの心境を持つと、歴史そのものが歪められて伝えられることも少なくない。先日からの東大紛争・学生運動の話が好例。


これも一案ではある。版権問題がややこしくなるし、それを成してどれだけの利益が発生するのかを考えると、社会文化的事業であることから直接の利益は見込み難く、公益法人や官公庁での仕事になるような気がするのだけど。また、その官公庁にしてもリソース不足で、e-Statのデータを見ても、調査そのものはさらに前、そして比較対象が可能な結果ももっと前からあるはずなのに、デジタルデータ化されているのはせいぜい20世紀末前後位からである辺りを見ると、「次々に登場する最新の値をデジタルデータ化するので精いっぱいで、過去のデータをデータ置換するまでリソースが回らないんだろうな」というのは容易に想像できる。

公的な調査結果などの過去からの値のデータ化はもちろん、社会文化的なものも含め、検証が容易に可能なデジタルデータ化を成した、デジタル国会図書館的なものが必要じゃないかな......ってあれ? これって【テレビ・ラジオ放送を全てアーカイブ化すると報道圧力になるという、新聞中枢部の方の主張】でも伝えた、4マスのアーカイブ事業とつながるところがあるような。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月29日 08:07に書いた記事です。

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