「ここまでならタダだな」との線引きの曖昧さを悪用すると、何でもタダで当然ってことになってしまう

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研究者や教育者、その他情報を何らかの形で精査したり想像するタイプの職にある人、そしてクリエイター的な立場にある人は、直接物理的なモノを目の前で生成するわけではないことが多いので、対価が発生しうるってのを理解されにくい。その部分を悪用しているのか、あるいは素で理解していないのかは当事者の深層心理の部分をフタを開けてみてみないと分からないのだけど、傍から見ればこの類のような、不作法的な話ってのは良く見聞きする。以前取り上げた感はあるけれど、漫画家先生に対し「ご近所だから」「親族だから」「知り合いだから」と無料で仕事になるような作品の依頼をしたりするパターン。あるいは「公的機関なので」とかね。

これも繰り返しになるけれど、対価ってのはその作品への評価を示す、単純かつ明快な指標。今件の事例の場合は、逆の立場で考えて、代理店に対して「広告展開に関して相談に乗ってほしい。無料で」と言われたらどうよ? とすれば、状況の異常さが分かるはず、なんだけどね。


一万五千歩ぐらい譲って、ちょっとしたインタビュー的なレベルならともかく、このような状況であることが分かると、まぁ、色々と思うところはある。問い合わせをする方は経費が発生するとなると色々と面倒であるし、低コストの方が自前の評価も高くなるからね。


こんな話があるのも事実ではあるし、今件に限らず多方面で多分に同じようなことを見聞きしているから、「こんなの特例だよねえ」とはとても言えない。ええ、実体験も含め、納得がいく。あれだねえ。いうべきことはしっかりと主張すべきってことなんだろうな。自分にとってリソースの消費とその対価として期待できるものを天秤にかけて、その割が合わないのなら「ごめんなさい」って。

よく考えてみれば、対価を考えていないってのは見方を変えると「お前が提供する情報や商品には、一円の価値も無い」と語っているのと同じだからね。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月19日 07:19に書いた記事です。

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