情報が満ちあふれると「味見もしてもらえない時代」になる、のかな

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指摘している対象のツイートはちょいと内容的な上で引用するのはアレなので差し置くとして。色々と考えさせられたのがこの指摘。情報が満ちあふれるだけでなく、それを取捨選択するツールも山ほど出ているし、さらには自分にマッチした内容をカスタマイズして、次々に提供する仕組みも用意されている。

例えばアマゾンで自分が好きな商品をいくつか抽出購入すると、今後「あなたが買った商品を買った人はこんな商品も買っています」「この商品を見た後に他の人はこんな商品も買っています」「この商品と似たような属性を持つこの商品はどうでしょうか」「関連する項目にはこんな商品もありますよ」「この作者はこんな商品も出しています」とウェブやらメールやらでボンガボンガと情報を送りつけてくる。しかも膨大な実証データを元に分析した統計的な精査結果による推測なので、結構ツボをついているのが多いからコマリモノ。

そしてデジタルコンテンツの場合は特に、一度購入してしまうと蓄積されるので、胃にたまったままの状態となる。普通の食事のように消化されて身体の外に出て、またお腹がすくって状態にはなりにくい。反芻されまくり的な。トイレの水タンクに入れた、水節約用のペットボトルみたいな感じ。

こんな状態が続いてくると、自分に合っているものを選んでもらって手にするだけで、お腹いっぱいになるし、自分の努力で合うか合わないか分からないものに手を出す必要も無くなる。麻雀ならば安全牌だけで上がってしまう感じ。お店の入口に特売品のセットが置かれて、皆それを手にとってレジに直行し、店の内部にはほとんど入らない、周回しないような、そんな状況が起きている。エンタメとの言及はあるけれど、恐らくは情報を取得する系統の産業全般にいえることではないかな、これ。

だからこそ、せめて「味見」をしてもらえるように、猫だまし的な見せ方が増えていると考えれば納得は行く。お店云々の例ならば、店舗の内部で大きな音を鳴らしてみたり、強い香りのする試食品を置いてみたり、そんな感じ。正当な切り口でにぎやかさを演出する、それこそ正月の神社や夏の屋台街のような情景ならばいいんだけどね。中身が誇大広告だったりニセモノだったり、フェイクだったら問題だよね。。。


「味見」で思ったことをついでに。

昨今のまとめサイトやキュレーション的な端折りニュースの陳列スタイルが流行っているのは、ある意味「味見でいいや」「たくさん味見すればお腹いっぱいになるから」ってのがあるのかもしれない。電車のつり革広告で雑誌そのものを読まずに満足してしまうような、そんな感じ。「味見もしてもらえない」場合もあるけれど、「味見で満足してしまう」場合も多分にある、そんな気がする。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月12日 07:10に書いた記事です。

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