緑茶を飲んでいる人はがんや心疾患、脳血管疾患など死亡リスクが低くなるかも、という話

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多目的コホート(JPHC)研究から、緑茶摂取と全死亡リスクおよびがん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患及び外因死を含む5大死因死亡リスクとの関連を検討した研究の結果が発表されました。この研究により、緑茶を習慣的に摂取する群において、男女の全死亡リスク及び心疾患、男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクの減少が示されました。

先日複数の報道で伝えられた「緑茶を飲むとがんとか脳溢血になりにくくなるよ」的な報道の一次ソース。緑茶を習慣的に飲んでいると死亡リスクが低くなる、緑茶の色々な成分が要因かもしれない、コーヒーも似たような傾向があるけれど、飲み過ぎはあまり意味が無いかも、的な話。

まぁ、新聞報道なども大よそそれなりに説明はしているのだけど、今件は「緑茶やコーヒーの成分が主要死因を減滅させる」ってのを証明したわけでは無いので、ご注意を。

つまり今件は膨大かつ長期間に渡る追跡調査のデータを精査し、相関関係がありそうなデータを整理して統計と成し、相関関係について確認を取ったもの。因果関係までは説明されていない......というか出来るはずがない。今件研究はあくまでも(従来から言われていることの)相関関係的なものについて裏付けを取り、因果関係を立証するための道筋を作るためのもの。統計値が相当なものだから、妙なぶれはないだろうけど、例えば今件は緑茶を定期的に飲んでいる人は健康に留意する傾向があるので、各種死因のリスクが低くなる、との因果関係の結果として出てきた可能性もゼロとはいえない。

ただ、闇雲に因果関係の立証の研究をするよりは、今件のように相関関係上の裏付けをとった上でとりかかった方が、空振りを減らすことができる次第。いつも料理がつまみ食いされていて、そのような時には二男の食事が食べきれずに残っていることが多いから、食事の前に二男に監視をつけてみよう、的なところ。

まぁ、統計的精査ってのは得てしてこんなもの。地味だけど、非常に興味深く、そして他方面の研究に役立つ素材となる。関連資料として今回合わせて発表された、コーヒー周りの話も面白いよ。コーヒーは一日4杯まで。覚えておこう。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月 8日 06:25に書いた記事です。

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