15歳ドローン少年の事案と「幇助」の件

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こちらもまた【15歳ドローン問題と「囲い」と真の加害者と】に絡んだ件。実のところ現行法で、実行動者となった該当少年にさまざまな支援をした人たちに、どのような問題が生じるのかは色々と難しい。法的解釈は専門家に任せたいところだけど、どうも動きが鈍い。幇助の観点では「それがアリなら反社会的な行為を成した上場企業に投資した株主も該当しうるって話になる」との指摘もある一方、児童福祉法の観点で考察すれば該当しうるのではとの話もある。

今件の場合は囲いをした人、支援者は該当少年がどのような所業をしたのかは把握しているはずだから「善意の第三者」とは成りにくいと思うのだけどね。また、原作の方の「機動警察パトレイバー」に登場する、シャフトの内海課長的な存在じゃないかとの話もあり、ああなるほど感を覚えさせた。直接行動して最終的に拘束された少年、バドが今件の該当少年で、パトロン役の支援者が内海課長。

ただその一方今件は、「ネット経由での情報交換で、恐らくは当事者同士は相対していない」「ドローンという新鋭機器が悪用された」「該当少年が15歳という未成年者」との点で目立つ形となっただけで、昔からよくあるパターンの現代版と見る事もできる。


負の作用が生じてしまった「集合知」というよりは「集合恥」「集合痴」という言い回しは言い得て妙。他の情報同様に悪ノリがネットでは加速しやすい。しかも現実味に薄い所があるので第三者的な立場で居続けることができるのも加速化の一因。上の指摘に加えるなら、ネットによって「馬鹿」の予備軍、要素を持つ対象が容易に成長させられる可能性も大きくなったことは否めない。


この辺りの指摘もねぇ......便利であればあるほど、それが諸刃の剣だった場合、自らに切りつけられる傷も深くなるし、それはネットに限らずどのような場合にもあるうる話。先の記事では該当少年が操り人形的な状態にあったと表現したけれど、「ドローン少年がまさに大人のドローンみたいになって」との言い回しは、言い得て妙としか言いようがない。

これをもってして「社会の闇」という陳腐な箱の中にぶち込んでちょっと時間をかけて熟成させて他の社会問題と一緒にごちゃ混ぜにして、分かっているのか分かっていないのかよくわからないコメンテイター半ダースほどがずらりと長テーブルに並んでいる解説番組のネタにさせられて、挙句の果てに社会が悪い政権が悪い格差社会が悪いとあさっての方向の叩きネタに使われ、数週間で風化させてしまうってパターンになると、また同じようなことが繰り返されるだけなんじゃないかと思うのは当方だけだろうか。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月23日 08:01に書いた記事です。

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