数十分で3~4割上昇、だと!? スイスフランの昇竜拳的上昇、大いに市場をかきまわす

| コメント(0)
スイス国立銀行(中央銀行)は15日、1ユーロ=1.20スイス・フランに設定していたフラン相場の上限を撤廃すると突然発表した。経済を守るための3年越しの政策を放棄した。


中銀はまた、市中銀行が中銀に預ける要求払い預金の一定額を超える残高に適用する金利をマイナス0.75%と、昨年12月に発表したマイナス0.25%からマイナス幅を拡大させた。さらに、政策金利であるフラン建て3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)誘導目標レンジもマイナス1.25%-マイナス0.25%に引き下げた。



株価動向と比べて為替は急激な変動を見せることが多く、昇竜拳だのナイアガラの滝といった直線に近いような上下のチャートを見せることも少なくない。とはいえ、この規模のチャートは見たことがないというのが実のところ。理由が最初は分からなかったので単なるバグかと思ったけれど、そうではなくリアルで生じているらしい。欧州でとんでもない事故でも発生した......いや、事故ではこんなのは起きない。それこそ欧州のど真ん中にツングースカクラスの隕石でも落下しない限り(ちなみに「スイスフランの大暴落」とあるけど、実際はスイスフランが大暴騰しているので、念のため)。

で、結局のところスイス銀行がフラン相場の上限撤廃を何の前触れも無く突然発表し、実行したのがその原因。当然今まで溜まっていたエネルギーが吹き出し、さらに心理的ショックに加え、自動売買プログラムが連鎖的に働き、思いっきりのフラン高。ショック療法というかサプライズが無いとアカンという説明をしているようだけど、ショック療法で息の根止めたら意味が無い、的な感もある。

後から読み返せば「これが予兆だったんだ」的な動きはいくつかあったようだけど、結局は理由として挙げられたのは"(無制限為替介入による)フランの上限維持は「持続可能な政策ではないとの結論に達した」"との説明だけ。要はもう限界ってことで、アップアップしてたのをギブアップした次第。


多分にショック的な動きが強く、現在は発表直後の動きからは幾分落ち着いてはいるけれど、円高ドル安やら日経平均先物の大幅安やら、日本にも小さからぬ影響が生じている。欧州方面では例のフランスの問題で色々と騒がしい中、こんな話が出てくるとますます政情不安が大きくなってくるなあ、ということであまり良い話ではないのは否めない。ギリシャのEU離脱問題もどこか吹き飛んだ感じ、には見えるけれど、その問題が実は今回のフラン周りのトリガーではとの見方もあるので、頭の痛い話ではある。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年1月16日 06:21に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「FireFoxのメモリリークとフリーズと再起動」です。

次の記事は「ソーシャルブックマークサービス「newsing」が3月16日でサービス終了」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30