古いプログラム言語とそれを必要とする環境と

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社会言語学的な状況を思い起こさせてくれる逸話。恐らくは銀行系のプログラムにCOBOLが使われていて、それがずっと利用され続けてきたのだけれど、使える人が退社をするなりして改良作業が出来なくなった。システムは今なおCOBOLで動いているけれど、言語そのものは昔のもので、新規に学んでいる人はほとんどいない。つまり何で動いているのかは分かっていても、その仕組みをいじれる人が居ない、半ブラックボックス状態になってしまったという次第。いくつかの実言語のように、書かれた文章そのものは保存されていても、それを読める人がいなくなって、中身の意味が判別できなくなったような、そんな感じ。

ビジネス系の雑誌でも何度か取り上げられている、大手銀行同士のシステムの融合話においても、この類の言語を絡めたどたばたってのは良く目にするだけに、あまり笑ってもいられない。言語に限らず、例えば一時期ポリゴン全盛期となりドットの類の絵が半ば以上鼻で笑われ糾弾されたせいで、どんどん技術者が減り、その後携帯ゲーム機や携帯電話向けのグラフィックを書ける人が大量に必要になったのに、数は激減していたという話も想起させる。


COBOLのような言語の場合は、それを使って動く端末が今なおバリバリ現役で存在するってのが、需要が減らない一つの要因なんだろうな。確かに以前、元銀行のシステム系で職を失い求職しているのだけど、使える言語がCOBOLなどで、当時求められていたJavaやらPerlでは無かったことから再就職が難しいという話を聞いた記憶がある。

失われた技術はなかなか取り戻せない。だからこそ大切にしなきゃならないものも多い。一時的には負担になるかもしれないけど、それはきっと将来において財産になるし、無駄になるか否かなど現時点で判断の出来ようがない。......建設業の人材不足関連の話を思い起こさせるような気がするのは当方だけかしらね。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月22日 07:55に書いた記事です。

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