Facebookの「今年のまとめ」に見るIT系インフラ事業の独善感

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米Facebookは年末に入り、ユーザーが1年のアクティビティを自動的にまとめて公開できる「今年のまとめ」の提供を始めたが、アルゴリズムで自動作成されるこのサービスはユーザーを傷つける恐れがあるとして、CSSの解説書で知られる著名な著作者でWebデザイナーのエリック・メイヤー氏が自身のブログでプロセス改善を提案している。


アルゴリズムというものは本質的に無思慮(essentially thoughtless)なものだが、事前に承諾を求めるようプロセスを変更することは難しいことではないはずだと同氏は言う。



以前も別の事案をもとに、IT系のインフラ・サービスを提供する企業の運営陣は得てして「自分達が想定したものはすべて皆が喜ぶはずだ」という新興宗教的な思い込みをした上での判断か、それを対外的にアピールしつつ実情は利用者に不便さを呈して企業の収益底上げを模索するのが大半である云々ってのを解説した。サービスや商品を提供する側は多分に確信を持った自信が必要であることに違いはないのだけど、同時にリスク勘案やさまざまなイレギュラーケースを想定しておく必要がある。先日の某インスタント食品の事案が良い例。

ところがIT系のサービスは特に「β版でもとにかく出せ、早く出したもの勝ち。修正は逐次行っていけばよい」という慣習が浸透しているものだから、ついその辺りの配慮がおろそかになってしまう。今件にしてもちょいと考えれば、指摘されているリスクが多分に生じるのは理解できるはずだし、やはり指摘のような改善策を模索し実行することは容易なはず。一人でやってるビジネスでは無いのだから。それをしないのは、傲慢さが運営側に蔓延しているか、あるいはそのリスクを配慮するよりは、半ば強制的にシステムを作動させることで得られるであろうメリットに采配を上げたからに他ならない。この時点で「ユーザーにとってプラスとなるようなサービス」の提供をしているように語っていても、その実がどのような意図によるものかを露呈するだけなんだけどね。

勝手に動画再生される動画広告とか、マウスカーソルを通過させただけで浮かび上がる広告とか、利用者のパソコンのトラブルを疑似アピールする広告とかも本質部分ではあまり変わりない。某ECの「最初から購読チェックが入っているメルマガ」とかも。確かにその手口の方が効果は上がるのだけど、本質的な部分に目をつむっているし、短期的な数字では換算できない大切なものを思いっきり投げ捨てている気がするのだよな。

Facebookも先日、勝手にタイムラインの調整を裏でやったのがばれるってのをやらかしたばかりなんだけどねえ......

ちなみに「無思慮だから責任は無い」と説明したとしても、それは詭弁。アルゴリズムそのものは無思慮かもしれないけれど、それを創るのは結局人間だからね。無思慮か否かは人間が決めること。つまりアルゴリズムの無思慮は人間の無思慮と同義なんだな。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月27日 06:50に書いた記事です。

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