予言ビジネスの仕組み、そして有料メルマガの功罪

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元々自然災害の類は事前予見の精度が低く、概して相関関係はあっても因果関係にまで結びつけることが難しい。起きた後に「あれは予兆だったのだな」と認識することは出来ても、その予兆の事象は山ほど生じており、その事象すべてが自然災害に連動しているわけでは無い。結局のところ確率統計論の話となり、いかにその確率を高めていくかが対策の一つとなる......はずなんだけど、その確率があまりにも低く、あるいは因果関係にまで結びつけるのが難しいものに関して、それを必然であるかのように語り、人心を惑わせ、懐を温める筋がある。霊感商法などが好例。

特に震災以降は確率論的に低い事象が起きたことから、再びそのような事象が高い確率で起きるかもしれないという無意識の恐れが心に刻み込まれ、ちょっとした不安で揺れ動かされてしまいがち。運悪く食中毒になってしまうと、同じ食材はおろか、似たような食材を口にするのも怖くなってしまうようなもの。

リスク判断をするのは良い事ではあるし、備える姿勢も重要。ただ、期待値計算をせずに単に恐れるばかりで(それこそ「ゼロ絶対主義」みたいな感じで)その不安定感につけこまれたら元も子もない。

そしてその類の商法に、有料メルマガが悪用されている事例が結構あり、これはこれで悲しい話ではある。この使われ方って結局、悪質な新興宗教によるお布施と同じだからね。メルマガの内容は経典、教祖様の教えと考えれば、納得はいくはず。MMRのようにエンタメと分かり切った上でのものならともかく、相手を脅して怖がらせ......ってのはね。

昔からこの類のものはあったんだろうけど、デジタル、ITを駆使されてしまっているので、余計にタチが悪い。有料メルマガにしても、コンテンツの販売スタイルの一方式として、有効な手立てだったはず。それを一部が悪用したおかげで、てっきりイメージが悪くなってしまったのが悔やまれる。まるで太陽光発電周りと同じ図式なんだよねえ。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月 4日 06:08に書いた記事です。

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