ゲームはリアルであればあるほど良い......というわけではない

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シミュレーションゲームの界隈ではよく言われる話で、舞台劇などにも例えることができる。リアルさを追求しすぎると、それはシミュレーションかもしれないけれどゲームには成らず、単なる再現システムとなってしまうというもの。現実味あふれるものが、そのまま面白いものとなるとは限らない。『ウルティマオンライン』シリーズの続編のコンセプトで、当初「イベント的な場面」の集合体をつくり、その場所場所間は直接行き来が出来るようにする、いわばすごろくみたいな感じにするって形を取ろうとしていたのも、この「リアル過ぎると結局間延びしてつまらなくなる」というのが原因(もっともこの続編に関しては失敗。イベント的な場所と場所の行き来にも、ドラマがあり冒険があり楽しさがあるという事実に気が付かなかったので、つまらないという結論に陥った......)。

で、この「リアル過ぎるゲームがつまらない」という話は、例えばトイレに焦点を当てても分かるというもの。


他にも「ラサール石井のチャイルズクエスト」とか「刑事 大打撃」とか「ザ・シムズ」とか、一部のゲームでは尿意関係がゲーム要素として加わっているけど、結局邪魔的なものでしかない(アダルト系は別だし、そのあたりは言及せず)。リアルさは増すんだろうけど、結局「それ位は暗黙の了解だろ、面倒くさい」ってところに落ち着いてしまう。


つまり、さまざまな行動のすべてをゲームという限られたインターフェイスの中で細かく再現しようとすると、その行動をするための入力にリアル以上の手間がかかってしまい、シミュレートにはならなくなってしまう。リアルにすればするほど、リアルから外れてしまうというジレンマが体現するわけだね。ゲームとして割り切るか、あくまでもシミュレーションとしてリアルさを求めるか。ゲームデザインの上では非常に大切な視点ではある。

......まあアレだ。あまりにも挙動がリアル過ぎるレーシングゲームは、シミュレート性としては高いものであっても、普通の人にはプレーできない。「マリオカート」の挙動が実車両そのものだったら、子供はまともに遊べないよね。そんな感じかな。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月20日 07:58に書いた記事です。

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