連鎖連鎖で大打撃...創作業の原稿料とダンピングの話

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創作業周りには定期的に持ち上がる、このダンピングと業界全体相場の話。要は主に新人さんレベルの人や、新規参入の会社、業界に足を踏み入れることが第一義的な考えの人たちによって相場より安い設定での請負がなされると、それが市場全体の平均相場になってしまう事案が発生するというもの。

創作業周りには定期的に持ち上がる、このダンピングと業界全体相場の話。要は主に新人さんレベルの人や、新規参入の会社、業界に足を踏み入れることが第一義的な考えの人たちによって相場より安い設定での請負がなされると、それが市場全体の平均相場になってしまう事案が発生するというもの。結局みんなが損をする。そして作り手も痩せ細っていくので、業界そのものが縮退しかねない。新しい血も入るだろうけど、そもそも土壌が痩せているから、成長は望みにくい。

で、その類の規模だと、往々にして「結局ダメでした」とお手上げになる(大手ならば一時的な損失も覚悟して、他のラインから注力させてどうにかやり遂げることができる)。そして発注元は頭を抱えるけど、事の重大さを認識できているわけではないので、対価もさほど上乗せされないから、どこも引き受けてもらえない、と。有名どころでは大手ではあるけど、結局上手くいかなかった事案として、某銀行のシステム周りが知られているね。

当方がかつて所属していた某業界のライティング周りもそんな感じだった。個人ベースで編集者とやりとりして記事を書くタイプのライターが、少しずつ編集スタジオ単位での一括受注となり(その方がおまとめでお値打ち価格となるらしい)、いつの間にかスタジオ丸投げ状態となって、個別ライターの記事がほとんどなくなってしまうというありさま。で、残っていても、スタジオ単位での総対価を純割りしてのものとなるから、当然これまでより単価は下がる。原稿料の上乗せを要求すると、通った途端に記事の依頼がこなくなる(笑)。これじゃライターは育たないわな。まぁ、スタジオ単位で育成しているのなら話は別だけど。


これは一例だけど、こういった冗談紛いな話が出てくるほど、業界によっては依頼側の無理解、相場の低迷が起きているらしい。コンテンツの創生がどれだけ労苦を要するのか理解しているからこそ、それを取りまとめるビジネスをしているはずなのだけど......と思うと、ちょっと頭が痛くなることは否めない。

電子書籍やデジタル系の文章も合わせれば、文章・本を読むという行動そのものがすたれているわけじゃないんだけどなあ......。

金をかければ良い作品が出来るとは限らないけど、金をかけなきゃ良い作品が生まれる土壌ってのはますます衰えていくよね。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2014年9月12日 08:05に書いた記事です。

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