すき家の「全店」「既存店」売上動向から見る「リニューアル店舗」の多さ

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【すき家・月次推移】

↑ すき家売上推移(前年同月比、既存店/全店)
↑ すき家売上推移(前年同月比、既存店/全店)
↑ すき家店舗数推移
↑ すき家店舗数推移


もう少し膨らませれば本家で展開しても良いネタなんだけど、まだ観測・推測の域を出ていない話なので、こちらで覚え書きとして。先日【すき家、鍋定食などによる人手不足を公認、環境改善のため6月をめどに7地域分社化を決定】などで伝えたり、ツイッター経由でちょいとナニがアレなバックボーンを持つソレ的なところの呼びかけで行われたように見えたストライキなど、色々と騒がしい状態のすき家。人員不足やリニューアル等で一時休業している店舗が増えているのは、ご承知の通り。

その一時休業店舗の多さが、売上動向にも見えてきた。すき家は店舗数そのものは増えている。そこで業績の「前年同月比」を算出する場合、競合他社同様に、原則として「前年同月に存在した店舗のみの業績」を対象としている。いわゆる「既存店」というもので、この計算方法を使わないと、店舗数の増加そのものが売り上げに加算されてしまい、「各店舗そのものが盛況」なのか「店舗数が増えたので全体の売上が伸びた」のか判断が出来なくなる。企業そのもの、業界全体の伸長を推し量るには単純に売り上げ全体の比較でいいんだけどさ。店舗の増減も企業そのもの規模を推し量るモノサシだし。

で、その理屈でいけば、店舗が増えれば売上もその分も上がる。だから前年同月比では「全店売上>>既存店売上」になる。すき家の売上もその原則通りの動きを示していた。でも2014年4月分から逆転現象を起こし、前年同月比で「既存店売上>>全店売上」という結果が出てしまっている。

これは月次一覧にある通り「リニューアル等により一時休業している店舗は含まれて」いないのが原因。リニューアルのために休業している店は元々売り上げもあまりよろしくない店舗だったため、数字も落ちている。それらが一時休業でカウントされていないため、必然的に「既存店」ではよい値が出る。一方「全店」はそれら一時休業の店舗も含めて売り上げ全体を比較しているので、当然数字は落ちる。グラフの矢印にある急速な落ち込みは、「鍋」の終了によるところもあるけど、「既存店」以上の落ち込み分は一時休業店による売り上げ減退が要因。かなり大きな影響が出ているのは明らか。

いわゆる「ワンオペ」問題は変更するつもりが無いようだし、リニューアルした厨房でどこまでパフォーマンスの改善が図れるかは未知数。人員確保もかなり面倒な話になっているとの話(これは公的リリースが無いので「という話」レベル)。牛丼御三家において、今年はある意味、すき家が市場をかきまわすことになるのかもしれないなあ。施策が上手くいっても、いかないとしても。

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このページは、不破雷蔵が2014年6月 3日 06:50に書いた記事です。

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