「自然由来と人工物質の放射線、違いは無い」が良くわかる表現

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人工的な物質から発せられる放射線と、自然由来の放射線。問題なのはその放射線の量なり強さなのにも関わらず、一律に「自然由来だから高くても問題ない」「人工物質由来だから少量でも超問題」とする主張をされる人がいる。そういう考えに対し、きわめて分かりやすい解説でツッコミを入れた事例。まさにこの通りなんだよね。

要は物差しで測る場所が違うということ。別の例えをすれば、「1キロの羊毛と1キロの鉄の塊、重いのはどちら?」と聞かれて「鉄の塊の方が重たい」と答えてしまうようなもの。見た目や印象での重量(印象的な放射線の影響)が問題なのではなく、重量そのもの(放射線そのものの影響力)が問題なわけよ。もっと端的な例を挙げれば「この10円玉は通常の10円玉と裏表が逆の、とても珍しい10円玉だ」と言われて、1万円と交換してしまうようなもの。

ただこの話、実はもう一つの問題提起をしていることになる。「同じ内容でも人工物質由来は危険」とする主張は、多分に印象論的、インパクトのある、騒ぎやすいものの方が影響があるんじゃないかという錯覚に基づいたものなんだな。羊毛と鉄の事例でも、たとえ重量が同じであっても、鉄の方が見た目が重たそうに見えるので、「実は鉄の方が重たい」と騒げば、あ、そうかも......と思ってしまう人もいるでしょ? 多分。

中には本当にその通りだと信じている人もいるだろうけど、大部分は「事実でないけど、騒ぎ立てて何か得をしたい、利益を得ようとする人」が意図的に行っているものだと考えれば、道理は通るんだよね。理由が分からなくても、声高に騒げば、信じてしまう人もいる。不安に思う人もいる。そこに浸けこんだ詐称法ともいえるのだな。

「自然由来の放射線と人工物質の放射線は別物」と主張する人に、その理由を聞けば「中長期的には変化がある"かもしれない"」、あるいは「そう主張する偉い人がいる」のいずれかにたどりつく。前者は論理的正当性の無い、憶測的なものに過ぎない。後者はたどっていくと少数の特定グループに集約され、その主張もまた、非科学的なもの。いわゆるソースロンダリング的なものなんだな。

昔も今も人を騙す手口に変わりはない、と。

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このページは、不破雷蔵が2014年5月 2日 07:46に書いた記事です。

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