「たばこの値上げは税金分だけじゃなくてJTの取り分もスゴく増加しているキリキリッ」という話について

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↑ たばこ税推移(円)(1本当たり)(従量税)(消費税含まず)
↑ たばこ税推移(円)(1本当たり)(従量税)(消費税含まず)

↑ マイルドセブンの価格と税負担部分推移(円)
↑ マイルドセブンの価格と税負担部分推移(円)


先日から超嫌煙派の方々に相次いで【たばこ税の推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)】の記事が言及され、同時に「タバコの値上げはいつも税金だけが上がっているように錯覚しているけど、実はJTの取り分もスゴく増加している。それがよく分かる図」とコメントし、「たばこ値上げはJTの陰謀で儲けを増やすためにあるんだッ」「な、なんだってー!?」的な論拠と共に、持論である「だからたばこもJTも巨悪だ」という話を広めている人が目に留まる。

資料として当方の記事に言及するのは有りがたいけど、間違った解釈やデマゴギーの材料として使われるのは、ちょっとナニがアレ、なので補足。

確かに「1本分」の価格内部構成を見ると、税額分と共にJT側の取得する金額も増加している。ただしこれはあくまでも「売上」から「税金」を引いた額に過ぎない。本文でも触れているけど、ここから各種原材料費、人件費、販管費、マージンその他を合わせて、初めて利益が生じる。そしてそれらの諸経費は概して年々上昇していることを忘れちゃいけない。

さらに税率アップ=1本当たりの税額アップに連れて、あるいはそれと無関係に、たばこの販売総額・総本数は減少を続けている。

↑ たばこ販売実績(億本)
↑ たばこ販売実績(億本)

結果としてたばこ販売総体において売り上げは減っては増え、減っては増えとほぼ横ばいを維持している次第。諸経費は漸増しているから、利益は漸減していることになる。

次のグラフはたばこの税収推移。JTが取得する売上もこれに連動しているから、額面はともかくJTが受け取る売上もこれと同じような動きをする。理屈は分かるよね。

↑ たばこ販売による税収推移(兆円、2012年度の地方税は予算額)
↑ たばこ販売による税収推移(兆円、2012年度の地方税は予算額)


たばこを嫌うのは分かるけど、それを布教するために「たばこ値上げはJT側の陰謀的なもので、だからJTは悪の結社だ」とか言うような、非論理的な煽動的解説は、いくらそれを語っているのが権威ある人物だとしても、関連業種の有資格者だとしても、正当性は欠片もない。それどころかそれを語る人の権威や他の言及内容にまで信頼性の欠如が疑われてしまうよ。

それと素朴な疑問なんだけど。なぜ民間企業が収益を上げちゃいけないの?

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このページは、不破雷蔵が2013年12月28日 07:50に書いた記事です。

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