デザインが新聞を救った例

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↑ ジャチェック・ウツコは問う「デザインは新聞を救えるか?」


ジャチェック・ウツコは、東ヨーロッパの新聞をリデザインすることで数多くの賞を受賞するだけでなく、購読数を100%まで回復させたポーランドの新聞デザイナーです。良いデザインは新聞を救うことができるのでしょうか?できるのかもしれません。


以前【プレゼンとは何かを知れる、「日本人による」TEDのプレゼン7選】で紹介した、TED(Technology Entertainment Design)におけるプレゼンの一つ。あるデザイナーによる、新聞改革の話が語られている。紙媒体という物理的構成そのものは変えずに、演出方法を旧来のものから切り替えることで、新聞を次世代メディアのようなものに仕立て上げたというもの。要は「決まったフォーマットに日々のニュースを流し込む」のではなく、ニュースを元にアピールしたい、すべき内容にマッチしたデザインを作り上げ、反映させるというもの。

もはや新聞というよりは啓発系のカラー週刊誌、あるいはビジネス誌の特集ページ、垢抜けたファッション誌のような感はあるけど、旧態依然の新聞に飽きていた新聞購読者・購読予備層にとっては刺激的なものとなったんだろうね。

無論デザインに振り回されて内容がおろそかになるのなら本末転倒だけど、しっかりと記事そのものも構成されていれば、「今のままでは売れない、需要に合わないのなら、需要を満たす、さらに産み出すにはどうしたらよいのか」という試行錯誤の中での、良い切り口といえる。もちろんこれを成すには記事にマッチしたデザインをサクサク創り上げられるセンスを持つデザイナーを大勢抱える必要があるし(何しろ逐次新しいデザインを生み出さねばならないのだから、時間はかかる)、既存の体制・フォーマットを打破できるだけの柔軟な社内体制も必要になる。それと、得てして軽視されがちなデザイン部門への評価がきちんとできる仕組み。

さて日本でも似たようなこと、もちろんデザインの変更という狭い見方では無く、このような大胆な発想を創り出す土壌と、それを実践できるだけの懐があるのかどうか......。新聞業界そのものの体質が問われる次第。


(ソース:

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このページは、不破雷蔵が2013年2月24日 08:21に書いた記事です。

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