地震発生時、生徒は学校管理下に無し、それでも助かった理由とは

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【地域防災に関する実践的研究(群馬大学災害社会工学研究室)】
【岩手県釜石市 津波犠牲者ゼロを目指した地域づくり-鵜住居小学校・釜石東中学校におけるこれまでの活動と津波襲来時の対応】
【岩手県釜石市 津波犠牲者ゼロを目指した地域づくり-釜石小学校におけるこれまでの活動と津波襲来時の対応】


2.津波襲来時の対応
地震発生当日、釜石小学校は学期末の短縮授業だったため、地震発生時にはほとんどの児童が学校外にいるという最悪な状況でした。それであるにも関わらず、子どもたちは教えられた通り、いやそれ以上の対応を行うことで、釜石小学校の児童全員が津波から生き残ることができました。以下に数名の児童について、避難時の様子を紹介します。

・1年生でも一人で避難
1年生のある児童は、下校後、自宅に一人でいるときに地震が発生した。彼は学校で教えられたように、まずは大きな揺れから身を守るための行動をとる。そして、避難訓練で何度も確認した通りに、避難場所まで一人で避難を開始した。

・高学年児童が低学年の避難をサポート
一人で避難する低学年の児童の避難の手助けを、高学年の児童が行っていた。

・祖母の手を引き避難
祖母と二人で自宅にいるときに地震が発生した児童は、祖母の手を引いて急いで避難した。
・津波で浸水する中を避難することの危険性を思い出し、逃げない判断
兄弟二人(2年生と6年生)で自宅にいるときに地震が発生した児童は、大きな揺れがおさまるのを待ち、どのような対応をすればよいのかを考えていた。すると、すぐに30cm程度の津波が自宅周辺に襲ってきた。その光景を見て、6年生の児童は、津波防災教育で視聴したビデオ「50cmの津波でも流されてしまう」を思い出し、外に避難することをやめて、二人で急いで自宅の3階へ駆け上がった。そして、そこでも流れていく津波に備えて、柱にしがみついていた。

(以下略)


群馬大学の研究室による、東日本大地震・震災における津波被害と避難に関する調査報告書の数々。防災・減災という観点で日頃から何をすれば良いのか、どのような考え方が求められているのかが、実例を挙げて紹介されている。動画は津波防災意識併発DVD「てんでんこレンジャー」。生徒達自身の脚本によるもの。要は日頃の「備え」を子供達もしっかりと修練して会得していたということ。リスクの判断と、その判断に対する必要な行動への即時実行という、大人でもなかなかできないことを一人一人がやってのけた結果な次第。

少々眺めのレポートだけど、平文で読みやすく、役立つ資料となっている。是非一読あれ。


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このページは、不破雷蔵が2012年9月 2日 08:07に書いた記事です。

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