まだ先は長いけど...人工光合成システムの実用化に向けたワンステップ、踏み出す

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【世界最高の効率0.2%*)で有機物を生成 窒化物半導体の光電極による人工光合成システムを開発 二酸化炭素を資源化し、循環型エネルギー社会の実現に大きく前進】

↑ 開発した人工光合成システムの構成図
↑ 開発した人工光合成システムの構成図など


【要旨】
パナソニック株式会社は、世界最高の太陽エネルギー変換効率(以下、効率)[1]で、太陽光のみで二酸化炭素と水から有機物を生成する、人工光合成[2]システムを開発しました。

本システムは太陽光を照射する光電極に窒化物半導体[3]を使用し、有機物を生成する電極に金属触媒[4]を使用することで、効率0.2%(主生成物:ギ酸[5])を実現しています。この効率は、バイオマス[6]で使用される植物と同程度であり、植物に代わって、本システムにより、これまで不要なものとして排出されていた二酸化炭素を原料として、有用な有機物(化学原料、燃料など)を生成することが可能となりました。

【効果】
地球温暖化および化石燃料枯渇の問題を同時に解決できる夢の技術として、太陽光のみを使って人工的に二酸化炭素を吸収し資源化する、人工光合成の研究に注目が集まっています。本開発により、植物と同等の効率で二酸化炭素を吸収し有機物を生成する、人工光合成システムが実現し、来るべき循環型エネルギー社会に向け大きく前進しました。

【特長】
本開発は以下の特長を有しています。
1.バイオマスで使用される植物と同等(0.2%)の効率を実現。しかも生成される有機物の量は太陽光量に比例して増加。
2.金属触媒や反応環境を最適化することにより、生成される有機物の種類を選択可能。
3.光合成システムを無機材料のみで構成することに成功し、単純な構造を実現。

【内容】
本開発は以下の新規要素技術により実現しました。
(1)窒化物半導体を用いて、太陽光から二酸化炭素の反応に必要なエネルギー状態を作り出す光電極技術
(2)有機物を生成する電極において、有機物を効率よく、しかも選択的に生成することを可能とする無機材料による触媒技術


太陽光と二酸化炭素と水で有機物を生み出す、葉緑素によるステキングな光合成。これと同じ仕組みを窒化物半導体で作り上げてしまったというお話。実用化まではまだまだ超えねばならないプロセスは山ほどあれど、先が楽しみな技術の一つ。なにしろ有機物を作り出すシステムを構築するだけでなく、二酸化炭素をも分解するのだから、一石二鳥。自然エネルギー云々いうのなら、こういう方面にボンガボンガ投資して注力して後押しすべきなんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2012年7月31日 07:02に書いた記事です。

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