印刷所での「胆管がん」多発問題、厚生労働省の調査結果発表

| コメント(0)

【胆管がんに関する一斉点検結果の取りまとめ等について】


大阪の印刷事業場での胆管がんの発生を受けて、全国561の事業場を対象として実施していた一斉点検の結果等を以下の通り取りまとめましたので、お知らせします。

1.一斉点検結果の取りまとめについて
 厚生労働省では、印刷事業場での胆管がんの発生を受けて、緊急に全国561の印刷事業場を対象とした一斉点検を実施し、今日、その結果を取りまとめた。

(1)胆管がんの発症
 胆管がんを発症した者がいるとするのは3事業場、3人(東京、石川、静岡)であり、大阪、宮城の事業場以外に、複数の胆管がん患者が確認された事業場は無かった。
(2)有機溶剤中毒予防規則の適用状況等
 561事業場のうち、有機溶剤中毒予防規則(急性の有機溶剤中毒を予防する観点からの規制)の規制対象物質を使用していた事業場は494ヶ所、こうした事業場のうち何らかの問題が認められた事業場は383ヶ所(77.5%)であった。
(3)作業場所の状況
 外気と接していない地下室で作業を行っている事業場は無かった。また、地下室と同視できるような空間で作業を行っている事業場は9ヶ所であった。
(4)使用化学物質
 ジクロロメタンを使用している事業場は152ヶ所、1,2-ジクロロプロパンを使用している事業場は10ヶ所であった。

2.今後の対応策について
 一斉点検の結果を受け、厚生労働省として以下の4点からなる対応策に取り組むことにした。

(1)現行法令等の遵守の徹底
 何らかの問題が認められた事業場の割合が非常に高かったことを受け、全印刷事業場に対し、自主点検を実施させるとともに、未提出事業場を中心に、説明会の実施や監督指導等で、現行法令等の遵守を徹底する。
(2)有機塩素系洗浄剤のばく露低減化の予防的取組
 複数の労災請求のあった大阪と宮城の事業場では、労働者が高濃度の有機塩素系洗浄剤にばく露していた可能性が高いことから、脂肪族塩素化合物を用いて通風が不十分な場所で洗浄作業を行う場合には、法令等の規制の対象となっていない場合でも、法令の規制と同様の措置をとるよう指導する。
(3)職業性胆管がん相談窓口の設置
 職業性胆管がんに関する各種相談に厚生労働省として対応するため、専用のフリーダイヤルを設ける。時間は月曜から金曜の9:30~12:00と13:00~16:00。
 東日本については、7月13日からで、番号は「0120-860-915」、西日本については、7月12日からで、番号は「0120-616-700」。ただし、7月12日については、東日本の相談であっても西日本の番号で受け付ける。
 また、産業保健の専門家からの相談体制も整備するため、7月12日から専用のフリーダイヤルを設ける。時間は火、水、木曜の13:00~17:00、番号は「0120-688-224」。
(4)胆管がんの発症に関する疫学的調査の実施
 原因の究明のため、産業医学の専門家によるチームを編成し、当該事業場の詳細な調査や胆管がんについての疫学的な調査等を実施する。


発表そのものは一昨日だとけ覚書も兼ねて。ここしばらくの間世間を騒がせている、印刷所作業員らによる胆管がんの、単なる確率論を超えた発生事例に対する調査結果(胆管とは肝臓でつくられた胆汁を十二指腸へ流す導管)。結局のところ、がんを誘発する状況が法令違反の状態で形成されていたことが原因らしいとの話。

即時発生的な事象ではないので、ついおざなりになり、あるいはなかなか気が付かずに対応が遅れてしまう。この類のトラブルにはありがちなパターンだけど、口惜しいことには違いない。せめて今後は同じような事象が発生しないよう、再発防止策をしっかりととるようにしなければならないやね。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2012年7月12日 07:37に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「【更新】ILO、ユーロ圏の失業率が2年後には17.3%に悪化する可能性ありとの警告」です。

次の記事は「超ムーンウォーク」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30