PHS回線増加の謎...「1回あたり10分以内の国内音声通話が無料」がカギ

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↑ PHS契約数推移(TCAデータから)(万件)


そんななか、ウィルコムは1450円の基本料金と980円のオプション料金の合計である2430円さえ支払えば1回あたり10分、月に500回まで、携帯電話や固定電話を問わず誰でも定額というプランをぶち上げたのだ。仮に制限いっぱいの10分間、月に500回かけると、21万円の通話料になる。果たして、これで儲けることができるのか。

だれとでも定額は、ウィルコム内だけでなく、他社の携帯電話、固定電話など相手を問わず、24時間定額となる。そのため、契約したユーザーは、多くの人に電話番号を教えるようになる。「カップルの長電話用途ではすぐに解約されるが、電話番号をいろんな人に教えるようになると、解約しづらくなる」(寺尾氏)という。

賢いユーザーであれば、長電話をする際に10分ごとに切断し、再発信すれば通話料を無料にすることできる。しかし実際は、親しい相手であれば10分で切断することも可能だが、仕事上のトラブルの通話ではそんなことはできるわけがない。結果、無料通話の範囲を超えた通話となり、有料通話として収益につながっていく。

網内定額のみのころは、24時間で何分しゃべっても無料であったため、収入につながらなかったが、だれとでも定額によって他社にかけるようになり、結果、長電話によって通話料収入を得られるようになった。


先日の本家サイトの記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも~自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2011年分反映版)】でも触れた、PHS回線契約数の増加。その原因の一旦が紹介されていた。要は料金プランの巧みさのたまものということ。なるほど、「ここから先は有料」方式なわけだ......頭いいな、これは。

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このページは、不破雷蔵が2012年6月25日 07:23に書いた記事です。

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