スターマイン 3巻 読了

| コメント(0)

『スターマイン (3) (4コマKINGSぱれっとコミックス) (アマゾン)』



↑ スターマイン 3巻
↑ スターマイン 3巻


夜空を彩る流星群、それに向かって携帯電話越しに「彼女が欲しい!」と絶叫したら、何と願いがかなってしまった。しかも「どれか一つだなんてケチ臭い」とばかりに、9つの流れ星がまとめて星娘となって彼女候補として目の前に。しかもお目付け役の女性まで現れ、あわせて10人の女性が自宅に押し掛けることに。いわゆる「両手に花」どころかハーレム的ギャルゲーライクな設定の4コマ漫画第三巻。帯紙にも「21世紀型ハーレム4コマ」と銘打っているだけに、この表現に間違いなし。

今巻では色々な意味で(描き手側のストロマ先生も、各登場人物も)慣れてきたこともあってか、今まで以上に人物が活き活きとしている描写が多く、読んでいてリアリティ・躍動感を覚えることができる。第一巻・第二巻での馴らし運転が終わり、「走り」始めた感がある。

大元が「流れ星が彼女になってやってきた」という御都合主義的な前提ではあるが、世界観の中でしっかりと話を構築していくべく、色々と設定を展開させたり、舞台内面を見せ始めたのも今巻の特徴。例えば今まで話が出てこなかった主人公・行成の母親の件、星娘達が主人公と同居していることに対するクラスメイト(透)の反応、そして魅力的な星娘達と同居生活を続けていることに対する「男」としての行成の態度・姿勢への疑問の答え、さらにはそこからつながる彼の過去のお話。

もちろん既刊同様、テンポの良いノリによる話の展開、コマ割りの中の「自然な」人物達の動き(読者の視線を十分に考えた人物配置・描写が成されている。映画のワンシーンを見ているかのようなカメラワークを随所に確認できる)、個々の登場人物の個性がにじみ出てくるような挙動は何ら変わるところが無い。これだけ登場人物(特に主人公と相対する女性陣)が多いと、大抵一部の人物の影が薄くなったり描写がいい加減になるものだが、一人ひとりが個性をしっかりと持ち、「動いている」のには恐れ入る。

第三巻の帯に描かれているコピー「幸せを、欲し(ホシ)がることをためらうな」。第二巻でお目付け役の女性・志染さんが主人公に語った「気兼ねなく欲張りなさいな」とほぼ同義だが、ここに「自分の気持ちに素直になる」という、今作「スターマイン」のストーリーの根底にある想いが込められている気がする。


......と、別所で使った紹介分をほぼ転用する形でこちらにも掲載。実際、今回の第三巻はこれまでの第一巻・第二巻と比べて「どっしりと腰を据えたような」安定感がある。長期連載に向けた足固めという雰囲気だね。例の「表紙メインと巻末回のメインキャラの法則」に従えば、10巻までは続くはず、というかネタはある。それくらいは続けてほしいものだな。


(最終更新:2013/08/26)

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2012年4月22日 18:15に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「【更新】サッカーボールの持ち主、発見される」です。

次の記事は「美術の時間を思い起こさせるHUBハブ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30