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【福島原発:東電全面退去打診 首相が拒否...水素爆発2日後(3/18、毎日、ウェブ魚拓)】



東京電力福島第1原発の高濃度放射能漏れ・爆発事故で、東電側が14日夜、同原発の職員全員を退去させる方針を政府に打診していたことが分かった。現地での作業継続は困難と判断したとみられ、自衛隊と米軍にその後の対応を委ねる構えだったという。菅直人首相は打診を拒否し、東電側も一部職員を残すことになったが、東電はその時点で高濃度の放射線被ばくが避けられない原子力災害に発展する可能性を認識していたことになる。

複数の政府関係者によると、東電側が14日夜、「全員退去したい」との意向を枝野幸男官房長官と海江田万里経済産業相にそれぞれ電話で申し入れた。両氏は認めず、首相に報告した。首相は15日午前4時過ぎ、清水正孝・東電社長を官邸に呼び、「撤退はあり得ない。合同で対策本部をつくる」と通告。その後、東京・内幸町の東電本店を訪れ、「東電がつぶれるということではなく、日本がどうなるかという問題だ」と迫ったという。

政府当局者は14日夜の東電側の打診について「全員を撤退させたいということだった」と明言した。

東電関係者によると、15日早朝に首相が東電本店を訪れた際、事故対応に追われる社員が会議室に集まったが、首相は「こんなに大勢が同じ場所にいて危機管理ができるのか」と非難した。東電関係者は「『撤退は許さない』というのは『被ばくして死ぬまでやれ』と言っているようなもの」と漏らした。

東電幹部の話 (必要最低限の作業員を残し、あとは退去する)部分的な撤退を検討したのは事実だが、全員撤退を検討した事実は絶対にない。


この報道(3/18の毎日のもの)は「毎日新聞が報じた」という枕詞で他の主要新聞社や外信としても伝えられ、「東電が全員撤退を懇願した」「首相は日本を救うため断固として拒否した」「東電の発言は出まかせだ」的な雰囲気を創る大きなきっかけとなった次第。ところが「中間報告書」(テキストのコピペが不可なので、とりあえずキャプチャしたのを貼りつけた)を読む限り、このような発言はないんだよね(報告書に有る通り、一か月後に予算委員会で「英雄譚」について否定的な発言はしてるけど、あまり伝えられていないよね、このあたりは)。むしろ東電側の主張発言が正しかったということになる。

毎日の報道は「複数の政府関係者」を情報源とし、具体的な閣僚名を複数挙げ、かなり詳細な言い回しで伝えている。創作だとすれば、この時期(3月18日時点)で誰がどんな目的でこの「茶番劇」を作ったのか。この報道の後の世論の動向を見ると、何だか色々ときな臭さを覚える。

そういや震災から1か月くらいあとだったかな。震災直後の東電と原発周りのやり取りについて、詳細な時系列を挙げてのレポート的な記事を出したのも毎日で、そこでも今件同様に、「当時の政府」の責は無いような流れで固められてたよね。その記事でも今件同様に、政府周りの関係者からの情報が無いと構築できないような内容が相当盛り込まれていた。......どこいっちゃったけかな、その記事は。

混乱状態で「あるもの」を「無い」と勘違いすることは有るだろうけど(忘れていたとかで)、「無いもの」を「有る」というのは、意図的な虚言でしか考えられないんだヨねえ......類似経験があれば別だけど、それも想定され得ない。さてさて。

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このページは、不破雷蔵が2011年12月17日 08:57に書いた記事です。

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