発想の転換的な「備え」、かまどベンチ

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【災害時にかまどになるベンチ】


株式会社コトブキが開発した『かまどセット』は、災害時に活躍するアイテム。普段は公園のベンチに収納されており、鍋などを用意すれば炊き出し用のかまどとして使うことができる、"災害時にかまどになるベンチ"である。

実は同社では11年前から、今回の『かまどセット』ではなく、『かまどベンチ』なる商品を販売している。こちらは、95年の阪神・淡路大震災をきっかけに開発された商品。端的に言えば、『かまどベンチ』はその場で使用する"固定式"のかまどで、今回の『かまどセット』はベンチから取り外して好きな場所に運ぶことができる"移動式"のかまど、と表現できよう。

まず、『かまどベンチ』が2000年に発売された経緯についてご説明したい。
阪神・淡路大震災では建物の倒壊が多く、結果的に公園が重要な避難場所として機能した。その状況を受け、当時の建設省を中心に"防災に対応する公園づくり"を推進していく動きが起こり始める。それと同時に、避難生活の際に公園で炊き出しが行われた経験から「公園にかまど機能があれば......」という声が上がり、誕生したのが『かまどベンチ』だった。

東日本大震災では、建物内に避難する方が大半だった。要するに、公園内で使うことを想定した『かまどベンチ』が存分に活躍したとは言いづらい状況だったのだ。それらの事実を踏まえ、形になったのが今回の『かまどセット』である。地震などの自然災害は、必ずしも想定していた形で起こるものではない。想定していなかった状況でも活躍できるよう、ブラッシュアップされて"移動式"になったのだ。


残念ながら「かまどセット」の動画は見つからなかったので、「かまどベンチ」の方を。非常時には給仕ツールに変身する公園施設なんて思いもつかず、この話を目にした時には「なるほど」モード。「かまどセット」と「かまどベンチ」合わせて、国内はもちろん海外でも、公演を防災施設として有益化する際のアイテムとして、価値ある商品となるんじゃないかな。

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このページは、不破雷蔵が2011年11月14日 07:43に書いた記事です。

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