白いモニュメント、ゴーストバイク

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【ロンドンに出現 「ゴーストバイク」】


最近、ロンドンの街中でちょっと目を引く白い自転車がよく停められるようになった。道端で停め放しになり、フレームやハンドル、すべてが白く塗られている自転車である。よく見ると花や写真が置かれてあったりと、最初は少し違和感を覚えた。しかし、同じ場所を何度も歩き、何回も見ていると、白い自転車が街の光景に不思議と溶け込んでいるのに気付いた。

まるで、遺影のように置かれたこの自転車は「ゴーストバイク」と呼ばれ、自転車に乗っていて不慮の事故などで亡くなった人を供養するためのものである。と同時に、ゴーストバイクが停められている場所は事故が起きた危険スポットであることを他のライダーに知らせ、注意を促すためのものでもある。

ゴーストバイクは、2003年に米ミズーリ州セントルイスで最初に出現したとされる。日本ではまだ現れていないが、現在では20カ国以上の都市で、事故被害者の家族や友人、サイクリストコミュニティーのボランティアなどによってゴーストバイクが設置されている。


コンセプト的には以前本家サイトで紹介したARアプリの話【その場の過去が一度によみがえる、ちょっと怖いARアプリ】と同じかな。いやむしろこちらの方が先で、アプリが発想を応用したのかもしれない。物理的なモノがその場に存在することで、強烈なインパクトを与えて事故の恐ろしさを再認識させると共に、危険な場所の明示・シグナルの役目も果たすという、色々と考えた仕組み。近所に住む人の心境は複雑かもしれないけど。

日本だとお地蔵さんとかがこれにとって代わっている、のかもしれないネ。そういう観点で見ると、津波と街道や石碑の関係にもあるように、「昔から存在しているもの」ってのは、何らかのメッセージを未来に伝えようとしているものが色々とあるんだなぁ、と再認識させられる。

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このページは、不破雷蔵が2011年9月 1日 08:23に書いた記事です。

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