「自力復旧はこれが限界」三陸鉄道、国などに支援要請

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【三陸鉄道社長からのメッセージ「三陸鉄道の復旧に向けて」】


三陸鉄道の復旧に向けて

このたびの震災に際しましては、多くの皆様から御支援・激励をいただき、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

今回の震災により三陸沿岸地域は、甚大な被害を受けました。多くの方々が家族を、財産を、そして勤め先など生活の基盤を失いました。当社も各地で線路や橋梁、駅などが甚大な被害を受けました。幸いにして、アテンダントを含め社員と震災の際に乗車中のお客様は無事でした。(家族や住居を失った社員はいます。)

私たちは、震災直後から今後どのように対応するか協議しました。多くの方が家や車を失い、買い物や病院にも行けない状況を目の当たりにし、少しでもお役に立ちたかったので、結論は「とにかく復旧できるところから列車を動かそう」でした。

3月16日に久慈~陸中野田間で、3月20日には宮古~田老間で、3月29日には田老~小本間で運転を再開しました。被災したお客様からの「ありがとう」の言葉が耳に残りました。不眠不休で復旧作業に当たった社員にも笑顔がありました。

しかし、自力で復旧できるのはここまでです。現在の運転再開区間は全線の1/3、輸送力は震災前の1/10にすぎません。残りの区間の復旧は、国などの支援がないとできません。全面復旧には、莫大な経費と長い時間が必要です。

私たちは、三陸鉄道の復旧が三陸沿岸地域の明日への希望であることを信じています。そのため気力を振り絞り、社員一丸となって再建に向け取り組んでまいります。

どうぞこれからも変わらぬご理解、ご支援をお願いします。

平成23年4月

             三陸鉄道株式会社 社長 望月正彦


[三陸鉄道「自力復旧できず」=国に支援要請-岩手県]

東日本大震災で津波を受け、3分の2の区間で運休が続く三陸鉄道(本社岩手県宮古市)は4日、「復旧は国などの支援がないとできない。全面復旧には莫大(ばくだい)な経費と長い時間が必要」とする見解をホームページ(HP)で公表した。

同社は県と地元4市、岩手銀行などが出資する第三セクター。県は、復旧工事費の4分の1までと規定されている国庫補助率の見直しなどを国に求める方針。

同線の陸中野田-小本と、南リアス線全線(釜石-盛、全長36.6キロ)の計約72キロは線路や駅の流失、橋の倒壊が多く、運転を見合わせている。


東日本大地震とそれに伴う津波で東北地方の太平洋岸が大きな被害を受けたのは承知の通りだけど、三陸鉄道はまさにこの被害地域にすっぽりと収まる形で大きな被害を受けている。第三セクターの財力ではこれ以上の復旧は無理とのことで、社長自らのSOSが発せられた。鉄道の便利性と輸送力の高さを鑑みれば、周辺地域の復興のためにはむしろ重点的に支援と復旧を果たすべきではないかな......と思うのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2011年4月 5日 13:11に書いた記事です。

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