「レイク・ウォビゴン(Lake Wobegon)効果」という言葉

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先日どこかの雑誌で目に留めて「これは面白い考え・言葉だ」とは思っていたんだけど、その雑誌のキープをし忘れて「なんだっけ……」とツイッターで聞いたところ、

Lake Wobegonのことですか?米のラジオ番組が元ですが日本でも知られてるのでしょうか?


というお返事をいただくことができた。これを元に日本語の読み「レイク・ウォビゴン(Lake Wobegon)(効果)」を調べたところ、

・レーリー・ホーム・コンパニオンというラジオ番組に登場する架空の村のこと。あるいは小説「レイク・ウォビゴンの人々」の舞台となっている村。
・その町に住む人々は「誰もが平均以上」の能力を持っている……と思っている。
・転じて、意識調査などで対象者のほぼ全員が「自分が平均以上」という意識を持つというような、事実と矛盾するような状況をさす。
・自分のことを過大に評価しがちな傾向のことを言う。
・あるいは実際にはありえない「誰もが平均以上」という空想上の桃源郷をも意味する。


数学をちょっとかじった人なら分かるはずだけど、ある母体内で全員が平均以上という状況はありえない。かろうじてあるとすれば、その項目において「全員がまったく同じ値」なこと。「以上」は「イコール」を含むからね。つまり「全員が平均以上であるべきだ」「自分が平均以下なのはおかしい(他に理由を見つけず、単に「自分が平均以下である」という状況そのものへの批判を行う)」とする人たちへの間接的かつ痛烈な批判でもあるわけだな。

昔の漫画「アウターゾーン」でも似たような話があったな。学生に極力平等を求めるため(統一感からの乱れは非行につながるからだそうな)、顔が皆同じに整形させられている学校の話。背格好や最終的には性別も統一する予定だった気がする。

何か最近事ある毎に「義務も果たさず権利をよこせ」「あの人はこれこれだから自分もこれこれする権利がある」とする主張と、その根拠として上のような「自分は自分が目に留まった人より不幸に見えるからおかしい」という事由を見かけるようになったもんで(特にアナーキスト的な考えの方に)、一応覚え書きとして。

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このページは、不破雷蔵が2010年7月16日 21:35に書いた記事です。

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