サッチャー首相の「たとえお金持ちを貧乏にしても」の話

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【1990 Nov 22 Th Margaret Thatcher HC S: [Confidence in Her Majesty's Government]】


先日掲載した【年寄りに「お前らに未来はない」と言われる若者達】周りで色々と調べている際に、イギリスのサッチャー元首相の言葉【「たとえお金持ちを貧乏にしても」】周りを調べ直す機会があった。この言葉自身は結局のところ、論点がぶれるので取り上げなかったけれども。

「"The poor will not become rich, even if The rich are made poor."お金持ちを例え貧乏にしても、それで貧乏な人がお金持ちになるわけでない」。これがどうも見つからない。いや、日本語、及びその原典となる英語自身は見つかるのだけど、英語の大本、サッチャー女史が語ったとされる前後の文章が、これに合わない。どうも大本のセリフは別にあり、それを要約したのがこの英文、そして日本語ということなのらしい。

そこで動画を元に議事録の類をたどっていったところ、見つかったのがこれ。議会でサッチャー首相(保守党)が野党の自由党議員とやり取りしている中での話......というか反論の中で出てきた言い回し。

People on all levels of income are better off than they were in 1979. The hon. Gentleman is saying that he would rather that the poor were poorer, provided that the rich were less rich. That way one will never create the wealth for better social services, as we have. What a policy. Yes, he would rather have the poor poorer, provided that the rich were less rich. That is the Liberal policy.

(実体としては)1979年と比較すればすべての収入階層で生活は向上しています。貴方の主張では、金持ちから金を奪うことで、貧乏人をより貧乏にした方がいいということなのですね。それこそがthe Liberal(英国自由党)の主張なのですね。



要は野党議員が「もっと金持ちに重税を課せ、ゴルァ」的な主張をしたことに対する反論を、皮肉る形で述べた「あんたがたは金持ちから金奪って貧乏人に配れつーてるけど、それで貧乏人が金持ちになるわけやない。みんな貧乏人になるだけや、貧乏人はもっとも貧乏になるで」という言い回しが元らしい。

無論この説明に野党議員はブチ切れ。「No」とすかさず反論するも、サッチャー女史は「うんにゃ、あなたがたはそのような意図はないでしょうが、事実としてはそうなんですがな」とすぐにツッコミを入れている。

このあたり、全文日本語訳した上で、吹き替えで見てみたいねえ。

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このページは、不破雷蔵が2014年1月28日 06:56に書いた記事です。

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