現役FPが語る「身近なお金の知恵」……自分でやればコストは下がるんです
以前のメールマガジンで、家族4人がマイカーで移動するコストのほうが、列車や飛行機を利用して移動するコストよりも安くなる。高速道路が1000円で乗り放題ならなおさらだ、という話を、まえがきとあとがきで述べました。この話、振り返ってみると重要なので、改めて今回のテーマといたします。公共交通機関の場合、ダイヤどおりに運行するにあたって、多くの整備スタッフを抱え、運転士やパイロットや車掌や乗務員を使い、さまざまなシステムを問題なく動かすために多大なコストを支払っています。それらのコストが、すべて運賃に反映されています。そのうえ、家族4人全員が公共交通機関を利用する客として運賃を支払う必要があります。
一方、マイカーで移動する場合は、車両の整備は最低限ですし、ドライバーに支払う賃料は、お父さんやお母さんは辞退するでしょう。この段階で、費用はガソリン代と有料道路の料金のみとなります。要するに、乗り物の維持管理運行を他人に任せ、その分のコストを支払うか、それとも自分で行ってコストを下げるか、の選択です。
実は、生命保険や金融商品の維持管理にも、同様のことが言えるのです。まずは、生命保険から見てみましょう。
最近では、営業員を抱えずにネットで申込が出来る生命保険会社などもあります。商品内容もシンプルなうえ、人件費などのコストを極力少なくして、負担の軽い保険料を実現しています。自分自身が、どのような保障が必要なのかわかっていて、ネット生保の商品が漏れなく十分な内容ならば、自身で手続きすることで見た目割安と思える保険に申し込めます。
リスクとしては、告知手続きなどを自分でするにあたり、本来申告するべき病歴を告知せずに契約してしまい、いざというときに保険金が給付されない、なんてことがある点でしょう。意外と見逃しがちなのは、1カ月ほど前に風邪をひいて、7日間以上の風邪薬を医師により処方されているケースです。ささいなことでも、告知義務違反を問われますので、通院の心当たりがある場合は注意が必要です。
また、過大な必要保障額を算出してしまい、余分な保険料を支払うリスクもありそうです。これは、支払える保険料から保障内容を逆算すると起こりがちです。
自分で調べる、手続きするのが面倒ならば、生命保険募集人を介して見積もりを作成してもらったり、申込手続きを手助けしてもらうべきでしょう。良心的な募集人ならば、選択できる範囲で保険料負担の軽いものを選んでくれるでしょう。それでも、保険料に内在している人件費は、ネット専業生保よりも高いと想像できます。
次に、投資信託などの金融商品の場合を見てみましょう。金融資産運用を行う場合、大きく分けると、投資信託や生命保険などを活用する方法と、自身で上場株式や、店頭で公社債を購入する方法があります。いずれも、証券会社や銀行の窓口を利用する、ネット専業証券会社やオンラインバンクを利用する、などの場合があります。
投資信託を申し込む場合は、申込手数料と、信託報酬が比較的大きな費用となります。申込手数料を節約したい場合は、ノーロードファンドを探す必要があります。また、パンフレットなどで、信託報酬なども確認するべきです。この、信託報酬を支払うこともまかりならん、という場合は、自分で上場株式を分散投資するしかありません。
営業員などに相談したい場合は窓口を利用する。すべて自分で調べ、選択し、申し込む場合は、ネット証券を利用する、という具合です。繰り返しになりますが、どのようなケースでも同じです。遠方に移動する場合でも、生命保険や金融商品を選択する場合でも、より多くの人が関わっている場合は、その分支払うお金が多くなります。
投資信託ならば、それを販売する人、運用する人、信託業務を行う人など、多数の人が関わっているのです。だからそれなりにコストがかかります。上場株式を自分で分散投資するならば、事実上、売買手数料のみになります。無茶な売買をしなければコストは少ないはずです。
今回は、無駄だと思う費用を減らしたいなら、なるべく自分で勉強してできるようになろう、というお話でした。
(終)
●筆者紹介
・松本勝晴(まつもと・かつはる)
CFP(R)認定者で独立系ファイナンシャルプランナー。生活に身近な視点からパーソナルファイナンスの重要性を伝授。
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※今寄稿は先生発行のメルマガの内容を再構成したものです。