6割前後・女性がより強く感じる介護者ストレス(2010年分反映版)
以前介護者側のストレスの兆候として(海外の事例ながらも)【介護者ストレスの典型的な危険信号とは】を掲載したところ、いくつかの意見をいただくことが出来た。その中でも目に留まったのは「危険信号は分かったが、それでは介護をしている人たちの原因とは何だろうか」というものだった。そこで以前【6割が自覚する介護者ストレス】を記事にしたのだが、先日その記事のデータ元である「国民生活基礎調査の概況」が、2010年分のものに差し替わっていた。今回はよい機会でもあるし、日本国内の事例について、そのデータを最新のものに更新することにした。介護者側のストレスに関する問題は、公的機関では厚生労働省の「国民生活基礎調査の概要」で調査が行われている。調査そのものは毎年実施されているものの、「介護者側のストレス」周りも含めた「大調査」は3年に1回。直近では先日更新された【2010年分反映版の国民生活基礎調査の概況】がもっとも新しいデータとなる。
まずは要介護者が同居している世帯で、介護する側がストレスや悩みを抱えているか否かについて。全体では約6割、男女別では概して女性の方が、ストレス保有者が多い。

↑ 性・年齢階級別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスのある者の割合
前回の記事(【6割が自覚する介護者ストレス】)でも同様の傾向が見られたのだが、「男女別では概して女性の方が、ストレス保有者が多い」ものの、50〜60代、今回は60代において、男女のストレス度が反転する傾向がある。定年退職を迎えて要介護者を引き取った・同居する時間が長くなった男性が、ストレスを新たに覚えるようになったからだろうか。
それ以外の傾向としては、男性は50〜60代、女性は経年と共にストレス度が高い状況が確認できる。特に女性は60代を超えると8割近い人が「ストレス・悩みあり」と回答。問題の深刻さがうかがえる。
それでは具体的に、どのような問題を悩み・ストレスの原因として認識しているのか。もっとも多数の人が問題視しているのは、介護している対象の病気や介護そのもの。男性は7割近く、女性に至っては約1/4の人がこの問題に頭を悩ませている。

↑ 性別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスの原因の割合(複数回答)
やはりさしあたって目の前にある、介護そのものの起因となる問題が、一番のストレスの原因となる、ということだ。
気になるのは第一位の「家族の病気や介護」と比べれば割合は半分以下でしかないが、「自分の病気や介護」が第二位についていること。同調査別項目の結果を見ると、介護する側の62.1%が60歳以上、65歳以上で区切れば44.7%、75歳以上で区切っても22.4%の高齢者で占められている。自分自身の高齢・病気などと物理的・心理的に戦いながら介護を続け、ストレスをためている様子がうかがえる。【子どもと成人とお年寄りの割合の変化をグラフ化してみる】などのように、高齢者比率が増加する昨今。介護問題は介護される側はもちろんのこと、介護する側にもスポットライトを当て、皆で議論と解決策の模索をしなければならないのはいうまでも無い。
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