2011年8月のたばこ販売本数は前年同月比で11.9%減・販売額は約2割のプラス
日本たばこ協会は2011年9月9日、2011年8月における紙巻きたばこの販売実績を発表した。それによると8月の販売実績は179億本となり、前年同月比で11.9%の減少を見せることになった。販売代金は20.9%増の3714億円。昨年10月の値上げに備えたまとめ買いが昨年8月から数字として表れており、その反動「など」が本数に反映された形となった(【発表リリース(PDF)】)。
↑ 紙巻きたばこ月次販売実績(本数・億本)

↑ 紙巻きたばこ月次販売実績(販売代金・億円)
2010年9月のたばこの値上げ前の「駆け込み特需」はグラフを見れば一目瞭然だが、それと同じレベルで「特需反動」の特異性も目立つ形となっていた。その後発生した東日本大震災で、【JT、たばこ全製品の出荷を3月30日から4月10日まで停止・以降は銘柄限定で量産】や【JT、4月11日から出荷再開のたばこ7銘柄を発表】などで解説しているように、出荷種類・本数の大規模な制限がかかり、値の回復にブレーキをかける形となった。そのアクシデントも乗り越え、昨今の販売本数減少分はすでに次の段階、つまり「単価値上げに伴う消費量の減退」と見るべき状態にある。
ただし8月以降は昨年10月の値上げに伴う「8月・9月の値上げ前のまとめ買いによる売上増」「10月以降の値上げによる、またはまとめ買いしたたばこの消費による売上減」と比較するため、前年同月比を換算する際には、その「歴史的背景」を念頭におく必要がある。
今回発表の8月分では7月と比べると勢いを減じている。元々毎年8月〜9月は販売実績が減る傾向にあるが、昨年8月は値上げ前の駆け込み需要の(序盤戦による)影響もあり、昨年7月より増加の動きが確認されている。今年8月の販売本数がマイナス値を見せたのも、主要因はその反動といえる。一方で節電に伴うたばこ自動販売機の停止の影響も否定できない。いつものように本数と売上の関係を計算するため、いくつかの数字の確認を行う。今回の値上けでマイルドセブンの価格は300円から410円へと36.7%の上昇をしていることから、この値上げ率で全体の数字を当てはめるとして、売上本数はマイナス11.9%、よって試算で売上高は20.43%のプラス(1.367×0.881)となる。一方で実際の販売代金の増加分は20.9%であり、両者はほぼ一致する。誤差がほとんどないのは、高めの銘柄への選択変更が行われなかったことによるものだろう。
以前の値上げ後のたばこのセールス動向を見ると、今般と同じように「本数減以上を価格増で補い、売り上げはプラスとなる」動きはあるものの、「次第に売上も落ち込みはじめ、じきに前年比マイナスとなる」という流れを見せていた。今般は値上げ幅が大きいためプラスの状態が長期化しているが、そろそろ(前年同月の駆け込み需要の影響もあり)売上「の前年同月比」も減退に向かうのではないかと思われる。今回の流れはその前兆だろうか。
ちなみに一昨年と比較した場合、本数はマイナス10.1%・売上はプラス23.1%。値上げ効果がじわりと効いている雰囲気は十分に見受けられる。電力使用制限令が解除された(=自販機の節電も終了する)来月9月も販売動向で今月と同様の動きを見せるのなら、自動販売機による影響はほとんど無いと見なすこともできよう。
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