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出生率・死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)

出生先に【乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)】で人口動態調査の記録を元に、1世紀強に渡る乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化し、医療技術や生活環境の進歩を一側面からかいま見た。その際取得したデータには他にもいくつか、長期間に渡る変移をうかがえる内容が収録されている。今回はその中から、出生率と死亡率の変移をグラフ化してみることにする。

データの取得元は【平成10年(1998年)の人口動態統計月報・年計】。この回では人口動態調査が現在のスタイルを取り始めてから100周年を迎えたことを記念し、主要項目について100年の年次推移で公開し、分析を行っている。さすがに1944年〜1946年は戦争末期から戦後直後にかけての混乱期で集計されておらず、値は空欄化しているが、それ以外は各項目ごとに実数値などが盛り込まれている。一方で1998年次の値は概算値、それ以降は当然収録されていない。

そこで1998年分以降は【人口動態調査統計一覧】から、月報年計を毎年分調べ、値の補完をしていく。最新データは2011年6月に発表された【2010年人口動態統計月報年計(概数)の概況】となる。

まずは言葉の定義。「出生数」「死亡数」はそのまま、その年に生まれた・亡くなった人の数。死因・年齢は特定せず(。先の記事での新生児・乳児なども含まれる)。また比率は「%」表記の無い限り、基本的に人口1000人比。

ひと組目は死亡数・死亡率の推移。これを1899年以降継続して2010年分まで、そして戦後に限って再構築したもの、計2つをグラフ化した。

↑ 死亡数・死亡率の推移
↑ 死亡数・死亡率の推移

↑ 死亡数・死亡率の推移(戦後限定)
↑ 死亡数・死亡率の推移(戦後限定)

【乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)】でも解説したが、1918年からしばらく間流行したスペイン風邪は、体力に劣る新生児・乳児だけでなく、それより上の幼児・子供、そして大人にも大きな刃を振るっている。グラフ上でもこの時期に大きく値が跳ねたことが確認できる。

また新生児・乳児ほど劇的ではないものの、全体としても死亡率・死亡数は20世紀初頭まで高止まり、そしてその後は確実にリスク軽減を果たし、1960年〜1970年の高度成長期を経て、一定水準の低さにまで到達。異なるのはここからで、1970年代以降はむしろ率・数共にゆるやかな上昇傾向にある。

これは技術が退化した、あるいは環境が悪化したのでは無く、【全国勢調査「95年分」の子供・成人・老人比率推移をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】にもある通り、全人口に占める高齢者比率が増加しているため。高齢者の方が亡くなるリスクは大きいため、その層の比率が高まれば、当然全体の死亡率も上昇する次第。

一方、出生数・出生率は有る程度の変動を経ながら、全般的には減少傾向にある。

↑ 出生数・出生率の推移
↑ 出生数・出生率の推移

↑ 出生数・出生率の推移(戦後限定)
↑ 出生数・出生率の推移(戦後限定)

戦前は概して高い出生率を見せていたが、先の記事にもある通り乳幼児の死亡率も高く、また上記にあるように大人の死亡率も高い。戦後に入ると急激な減少カーブを示すが、いわゆる「ベビーブーム期」にはやや上昇、そしてその過程で「ひのえうま」(丙午に生まれた女性は男性以上に強い性質を持つという迷信から、子供が忌み嫌われるのを恐れ、親が出産をためらう動きがあった)によるイレギュラー的な減少も確認できる。



死亡率の緩慢な増加は、世代別構成比の変化を考慮すれば、ある程度は仕方ない。しかし平均寿命が延びていることからも分かる通り、死亡リスクそのものは確実に減少を続けている。

今件データは先の新生児・乳児の死亡率や、世代別構成比の変移、さらには婚姻率などと見合わせると、新たな発見を見出せるだろう。日本の近世の動向を知る上でも、大まかな流れ位は確認しておくことをお勧めする。


■関連記事:
【全国勢調査「95年分」の子供・成人・老人比率推移をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】
【乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)】
【日本の出生率と出生数をグラフ化してみる】

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