トップページへ

10代~20代前半の失業率は9%台…若年層の労働・就職状況をグラフ化してみる(2011年版 子供・若者白書)

若年層の労働内閣府は2011年6月7日、2011年版の「子ども・若者白書(旧青少年白書)」を発表した。主に若年層に関する公的調査を取りまとめ、多様な視点から現状を把握できる、有益なデータが豊富に盛り込まれた資料として注目に値する。今回はその中から、若年層の労働・就職状況に関するデータを見て行くことにする(【平成23年版 子ども・若者白書】)。

平均寿命の伸長化・高齢社会化に伴い、若年層の労働条件・就職環境が悪化するのは先進国共通の社会問題で、いわゆる「先進国病」の一つとも評せる。日本でも他国同様に若年層の失業率は高く、全体平均と比べて高水準を維持している。

↑ 若者失業率の推移
↑ 若者失業率の推移

21世紀に入ってからは(後述する)派遣などの非正規雇用の促進化もあり、一時的に失業率は改善の動きを見せている。そして景気の回復も大きな改善要因。ところが2007年夏以降の金融危機に伴う景気悪化で、失業率も上昇。景気動向に左右されやすい(勤続年数が短いことや、非正規雇用率が高いことから、解雇されやすい。さらに新規雇用枠増減の影響を受けやすい)若年層ほど、急激に失業率の値を積み増しているのが分かる。

他方、特に若年層間で問題視されることの多い、「雇用体系」、具体的には正規雇用・非正規雇用の相違についてだが、10代後半〜20代前半と40代後半〜50代前半は非正規雇用者率3割を維持している。

↑ 「正規の職員・従業員」以外の雇用者比率(在学者を除く)の推移
↑ 「正規の職員・従業員」以外の雇用者比率(在学者を除く)の推移

白書内では特に踏み込んだ解説は無いが、誤解を受けやすい内容でもあるので、いくつか補足を行う。まず50代後半の非正規雇用率が高いのは、嘱託などの立場に居る人が多いため。会社側の経費削減や本人の事情、早期退職後に企業から請われる形での非常勤勤務など、スタイルは多種多様となる。また45〜54歳(あるいは25〜34歳、35〜44歳の多分も)非正規雇用率が高いのは、中堅層女性のパート・アルバイト(共働きのパターン)によるところが大きい。これは【世代別就業地位区分をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】などで裏付けされている。

↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)
↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)(【世代別就業地位区分をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】から再録)

よって問題視されるべきは、男女ともさほど非雇用者比率が変わらない15〜24歳の区分となる。最初のグラフにもある通り、この世代(15〜24歳)は失業率も押し並べて高い。【日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2010年版)】でも記しているように、学歴で多分に差異は生じるが、それでも若年層の就労状況が厳しいことに違いは無い。



仕事そのものが辛く厳しくても、それが積み重ねによるステップアップのためのプロセスならば納得がいく。若年層に対する「苦労は対価を払ってでもしろ」という言葉にも説得力がある。しかしそのステップアップが見込めにくい非正規雇用に甘んじなければならなかったり(自分の意志でその立ち位置についた人も多分に居るが)、失業状態でその機会すら得られないとなれば、これを問題視しないわけにはいくまい。

【2005年は3.3人で1人、2055年には…? 何人の働き手が高齢者を支えるのかをグラフ化してみる(高齢社会白書(2011年版))】にもある通り、若年層にはただでさえ負荷がかかっている。その負荷を支える資力の元となる有効な労働機会を与えることも、高齢化社会の問題解消への1ステップと見なして良いだろう。


■関連記事:
【世代別就業地位区分をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】
【日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2010年版)】

« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ