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2009年9月の新設住宅戸数、前年同月比37.0%減

住宅イメージ国土交通省は2009年10月30日、2009年9月における新設住宅戸数のデータを発表した。それによると9月の新設住宅着工戸数は前年の同月比で37.0%減の6万1181戸となり、10か月連続の減少を示したことが明らかになった。着工床面積が11か月連続して減少を示していることとあわせ、新設住宅の低迷期が継続しているものと思われる(【発表リリース、PDF】)。
具体的な内訳は持家が19.7%、貸家は39.0%、分譲住宅は52.5%の「減少」。今回も三部門すべてにおいてマイナスの値を見せる結果となってしまった。そして今月も先月同様に貸家・分譲住宅の減少が著しい。ここ数か月はこの傾向が継続しており、住宅「販売」(自分の居住のために建てるのではなく、他人に売却したり賃貸するために建てること)分野の市場が冷え込んでいるのが分かる。また、地域別でも先月同様にすべての圏でマイナスを見せていて、地域の差異なく下げている。

耐震偽装問題をきっかけに行われた2007年における改正建築基準法の施行、そしてそれに伴う行政側の準備不足・不手際が、同年夏以降の住宅市場における混乱や、新設住宅戸数の減少、さらにはそこから波及する不動産市場全体のつまづきのきっかけとなった。それと時をほぼ同じくして起きた金融市場そのものの低迷(金融「工学」危機)による資源高騰・賃金高を起因とする経費の上昇、関連企業の資金繰り悪化が、建設・不動産業界全体に打撃を与え、市場は急激に収縮してしまう。

その後多少のリバウンド時期はあったものの低迷状態は継続しており、さらに需要側のニーズも変化を見せ始めているのが現状。付け加えるならば、政策の転換で情勢は不透明さを色濃くしているというところか。

新設住宅戸数の変遷
新設住宅戸数の変遷(2009年9月分まで)

改正建築基準法の施行によって2007年8月~10月には大低迷が発生した。2008年に入ってからも各数値は低調のままで、前年同月比マイナス5%前後を行き来していたが、2008年夏にかけて「前年比の上では」急上昇を果たす(同年7月~9月)。しかしこれは改正建築基準法の施行により大きく不動産・建設業が業績を悪化させた、2007年夏期以降の「大低迷」の数字と比較したための結果で、あくまでも「昨年同月よりは良いという」比較論としてのプラスでしかない。戸数の絶対数を見れば実態が伴っていない(数が低迷している)ことが分かる。

そして2008年10月に入ると再び下落基調を見せ(上記グラフ左部分)、同年12月分では前年同月比でマイナスに転じる。さらに2009年4月分では2008年の最底辺を超して、今まで以上の「前年同月比における」減少を見せてしまう。今月発表分の9月は8月と比べればごくわずかに減少率は回復を見せているが、誤差の範囲でしかなく、低迷状態が継続していることに違いは無い。

耐震強度偽装問題を教訓にした
「改正建築基準法」施行(2007年6月)

・行政の不手際などを起因として
「新築」住宅市場が大規模収縮
低迷期続く
・2008年夏で底打ち感
 「前年比」でプラスに
・2008年10月再び下落・失速へ

下落基調続く

2009年4月以降低迷感継続中
国土交通省では同日、住宅着工に一か月ほど先行するといわれている建築確認件数も発表している(【「最近の建築確認件数等の状況について」発表リリース】)。これによると今回発表された2009年9月分データでは前年同月比16.1%マイナスとなり、先月の18.3%マイナスよりは多少ながらも改善しているように見える。とはいえ、2ケタ台のマイナスが昨年11月以降継続していることに違いは無く、来月発表分の住宅着工も前年同月比でマイナス値を見せることはほぼ確実のようだ。

冒頭でふれたように、持家住宅の減少率が低めでとどまっている一方、分譲住宅(建て売りまたは分譲の目的で建築するもの)の減少率が大きい傾向が続いている。また、賃貸目的の住宅の減少率も大きい。これは以前解説したように「出来あいの建売住宅よりも注文住宅の方が需要が大きい(【住宅購入ニーズは「マンションよりも一戸建て」「建売よりも注文住宅」】)」、「お買い得感を持つ住宅購入検討層が『少々背伸びをして分譲住宅ではなく自分の好み・希望に合った持家を買うケース』が増加している(【値上がりする住宅はローンの積み増しで購入!? 増加する住宅ローン総額平均】)」などの要因によるものと考えられる。また本日先行して記事にした【「建売が売れない! でも……」フジ住宅の短信補足資料から住宅市場の流れを垣間見てみる】でも指摘しているように、複数の不動産企業で同様の傾向を確認できる。

販売側の事情としても【今が住宅お買い得? 「まだまだ安くなる」は4割に達する】などで触れているように、在庫処分を優先し、新築物件の数を抑えさせている流れが昨今の新築住宅数の低迷を後押ししている可能性が高い。供給の絞り込みと需要の減少・選択基準の強化がスパイラル状態にある現状では、一部の好条件な環境を除き、不動産市場において「作れば売れる」時代は過ぎた、と考えてよいだろう。不動産は「投資」対象から「居住」対象という、本来あるべき姿に回帰しつつあるのかもしれない。

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